糸を用いて「頬のたるみ」を引き上げる手術について

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写真は他のクリニックで「アプトス」手術を受けられた方です。
ケバケバの糸が、ごく浅い層に入っているため皮ふ表面に引き連れが出ています。
4-5年前の学会で、ごく浅い層に糸を通し、肌に張りを出す目的の手術と、ある程度深い層に糸を通すべき「アプトス」手術を混同したような内容の発表がありました。
3-4年前までは、「アプトス」手術後の引き連れを何とかして欲しいという方が大勢いらっしゃいました。
この方は切る手術フェイスリフトを行い、皮ふの裏側から糸を細かく切断しました。



切らないで、糸を用いて「頬のたるみ」を引き上げる手術があります。
いろいろな名前の手術がたくさんあります。
手術の名前の違いは、糸の構造の違いと糸の入れ方の違いです。

大きく分けると、糸にケバケバや突起がついていて、皮ふの下に通した時に、組織が引っかかるもの。
糸の真ん中に小さな布切れみたいなもの(アンカー)がついていて、糸を縛り上げて引き上げるものがあります。

そのケバケバや突起の形や大きさ、向きが違うと、もう手術の名前が違ってきます。

糸の入れ方にもいろいろ違いがあります。
皮ふの下に入れるだけのもの。(フニャフニャ動く所と動く所が近づく。)
糸の端の片方を動かない所に縫い付けて固定するもの。

ただ引っかかるだけのもの。
曲線を描いて糸を入れ、ハンモックみたいに「脂肪」を持ち上げるもの。

縛り上げる場合も、どこに引っかけて引っ張るのか違いがあります。(ホウレイ線、生え際、モミアゲなど)

このように、ただ「糸で引き上げる手術」と言っても、いろいろなやり方があるんです。
そこで問題になるのがダウンタイム(お仕事を休む必要があるとか、知っている人に会えないとか、日常生活に支障が出る期間)です。
糸で引き上げる手術は、切らない手軽な手術だからダウンタイムは短いと思うかも知れませんが、
糸の入れ方、入れる場所によっては、切る手術よりも長くなります。

どういう訳かと申しますと、
糸の手術は「戻り」がある手術です。
1週間ほどスッと下がり、その後1ヶ月ほど少しだけ下がって止まります。
手術直後には「上げすぎかな?」と思うくらいにしておかないと、出来上がりの時期には「もの足りないな-」なんてことになります。


また、切る手術では、「たるみ」のゆるんで余った分は切り取ることができますが、糸の手術では切り取ることができません。
糸の手術では、「たるみ」は引き上げられ、形が変わるだけで、「たるみ」自体のゆるんで余った分は、「ゆがみ」として、どこかに残っています。
どこにその「ゆがみ」を持ってくるのか?どれくらいの期間目立つのか?は、
糸を入れる場所によって違います。

ご自分が受けられる糸の手術が、お顔のどこに糸を通すのか?
手術直後にはどんな風になり、落ち着いた時にはどこがどのように上がっているのか?
よく聞いてから手術を受けてください。